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「そこまで発展することはありますまい。キニスンはその直前に手を打つつもりでいます。彼と彼の協力者たちは――それがだれかはわかりませんが――発見できたかぎりの敵の工作員をリストにのせておいて、同時に処分するのです。彼の信ずるところでは、ボスコーンはあなたを誘拐する正確な時間を予告するでしょう。アンティガンでもそうだったのです」
「パトロール隊の手からさえ奪取《だっしゅ》するというのかね?」 「主要基地そのものからさえです。キニスン調整官は、彼が最後の瞬間にはじめて活動させるある武器がなかったら、やつらがそれをやってのけるだろうと確信しています。ついでにいえば、わたしが彼から受けとったこの探知器を手にして、ここであなたと協議を開いたのもそのためなTitleist 909のです。彼は、我々の基地では情報が洩れるだろうと警戒しています」 「そういうことなら――彼はなぜ――」大統領は口をつぐんだ。 「わたしにわかっているのは、あなたにある種の宇宙服を着せて、やつらが予告した時間より二、三分まえに、わたしのオフィスに入れるということだけです。われわれと護衛は二分まえにオフィスを立ち去り、一分まえに二十四号室の正面にくるような速さで廊下を歩いて行きます。われわれは、そのタイミングが完全になるまで、練習することになっています。それからどんなことが起こるかは知りませんが、〈何か〉が起こることは確かです」 時間が過ぎていった。ボスコニアの浸透作戦《しんとうさくせん》は計画どおり進行した。ラデリックスは、アンティガンが壊滅したのと同様の状態になタイトリスト909るのではた。しかし、裏面では、大きな相違があった。ラデリックスに到着する船はすべて、少なくともひとり以上の人間をあとに残していった。それらの訪問者の中には、長身でやせた者もあり、背が低くて太った者もあった。年とった者も若い者もいた。青白い者も、強烈な宇宙線で古びた皮のような色に焼けた者もいた。彼らに共通しているのは、冷静な目の中にある「鷲《わし》のような表情」だけだった。彼らはいずれも着陸すると、自分の表面上の仕事であちこちに活動するだけで、その他の問題にはまったく関心を示さなかった。 やがてボスコニア人は、惑星大統領トンプスンが誘拐される正確な時間を予告し、ふたたびパトロール隊に対する軽蔑《けいべつ》を誇示した。予告時間はこんども真夜中だった。 PR |
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