「それが事実だとしても、まだ場所の問題が残るわ。この問題は、キットのいまの説明でさえ、まえよりずっとこんがらかってしまったのよ。コンのとわたしのとはひどくあいまいだったから、特定のどんな座標とでも結びつくでしょう。でもキット、あなたのはキャットのと同じくらい明確だから、どうしても矛盾してしまうわ。どっちにしても、形態分類上十部分まで類似した生物が住んでいる惑星はうんとあるわ。もし四つの異なった種族と、そのどれも、わたしたちが追求している種族じゃないのよ」
「ぼくはそうは思わない」キットは反対した。「あんな特異な周波数帯域で思考する生物は、そんなにいるものじゃない。ぼくは自分の情報には確信を持っているから、キャットの情報について、キャットを反対尋問してみたい。QXかい、キャット?」
「もちろんよ、キット。どんなことでもきいてちょうだい」
「あの心はピン G15いずれも非常に強力だった――それがきみに集中されていないということが、どうしてわかったんだ? きみは検査するために思考を投射してみたかい? たしかに彼の真の姿を見たと思うかい?」
「彼の姿については、確信があるわ!」キャスリンはきっぱり答えた。「もしあのまわりに精神的暗示帯域があったら、すぐそれを感じて疑ったでしょう」
「そうかもしれないし、そうでないかもしれない」キットは反対した。「それは、その暗示帯域を展開している生物の能力しだいだよ」
「そんなことはないわ!」キャスリンははげしくやり返した。「でも、彼が自分の惑星について真実を告げたかどうかということになると――そうね――その点は確信がないわ。彼の思考波チャンネルを点検することもしなかったわ。あのときは別のことを考えていたのよ」兄妹は、彼女があのときメンターに訓練を受けて帰るところだったのだということを知っていた。「でも、彼はなぜ、あんping G15なことについて嘘をいおうとしたのかしら――でも、それが当然だわ。ボスコニア式のやり方ね?」
「そうとも。パパ、銀河調整官としての公式の立場から、どうお考えです?」
「その四つの生命形態が、みんな一つの惑星に所属している可能性がある。キャット、きみがその生物から得た惑星の位置は虚偽だったにちがいない――銀河系さえ虚偽だったかもしれない。トレンコに近すぎる。あまりにもね――トレゴンシーもわたしも、あの区域を一冊の本のように知っているが、あの付近にはそんな変光星はない。われわれはその惑星についてすべてのことを知らねばならない――それもすぐにだ。ウォーゼル、キットが指摘した区域の宇宙図を持ってきてくれないか? キット、クロヴィアの惑星学者と協力して、きみがこのあたりだと思う区域の近くにある変光星と、それがいくつか惑星を持っているかということを調べてくれないか? わたしは地球を呼ぶから」
PR