宇宙図が検査され、やがて惑星学者の報告も到着した。クロヴィアの科学者は、指定された宇宙空間に四つの長期変光星があることを報告し、それぞれの変光星の宇宙座標とカタログ?ナンバー、およびそれらに付属する惑星についてのあらゆるデータを提供した。地球の惑星学者が報告してきた変光星は三つだけで、詳細な資料もずっと少なかった。しかし、太陽にも惑星にも、すべて名称がついていた。
「地球のほうは、どの変光星をはぶいたのかな?」キニスンは二枚の透明図をかさねあわせながら、聞こえるようにつぶやいた。「このアートノンというのには惑星がない。ダンリーには二つある。アバブとダンスターだ。特徴はしかじか。ロンティエフの惑星は一つだが、彼らがつけた名称以外はなにもわかっていない。ばかばかしい名前だな――文字をべたんだろう?――プルーピン ラプチャーアか――」
プルーア! ついにわかった! 五人の兄妹は同時に反応した。そのおかげで、プルーアの真の意味に関する甲高《かんだか》い思考を、第二段階レンズマンの結合した心からおおいかくすことができた。キットは妹たちとすばやく思考を交換したのち、よどみなく会議の主導権をとった。
「惑星プルーアは第一に検査されるべきだと思います」彼は注意を一瞬そらさなかったかのように、なに食わぬ顔で列席者と連絡を回復した。「これは、あの思考突発の原点としてもっとも可能性のある位置からもっとも近い惑星です。また、変光星の周期と惑星の距離は、他のどの変光星や惑星よりも、われわれの観測と類推《るいすい》に一致しています。異論がありますか?」
異論はなかった。全員が賛成した。ただ、キニスンはただちに直接行動をとることを要求した。
「調査しよう!」彼は叫んだPing Rapture。「ドーントレス号とZ9M9Zと大艦隊と、それから例の新兵器を切り札にするのだ!」
「待ってください、パパ!」キットは反対した。「このデータによれば、プルーア人こそボスコニア組織の頂上らしく思われますが、もしそうだとすると、それだけの準備をしていっても充分ではないでしょう」
「きみのいうとおりかもしれん――おそらくそうだろう。では、どうするのか? トレゴンシー、きみの意見は?」
「艦隊作戦はいい」リゲル人は賛成した。「それから、きみが暗示しただけで明確にいわなかったことだが、われわれ五人の第二段階レンズマンがいろいろな技術を動員して、独立に、しかし相関的に行動するのだ。しかし、わたしはきみの子どもたちを先頭に――断然先頭に立てて指揮をとらせるように提案する」
「抗議します――わたしたちは能力が不充分です――」
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