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これははったりだった。キニスンは依然として部屋を行きつもどりつしていたが、そうしながら、ある制御盤にしだいに接近して行った。彼は思考波スクリーンを着用していたが、もうそれを信頼することはできなかったので、その背後で膨大な知力と意志力のありったけを結集した。もう数秒だ。左の手はズボンのポケットにつっこまれ、レンズがはいっているシガレット?ケースを握りしめていた。右手は光線銃を引き抜いて発射すべく待ちかまえていた。
「では死ぬがいい! おまえの仕事の完全無欠さから、おまえの正体を知るべきであった――おまえはスター?A?スターだな!」 怪物の精神衝撃は最初の言葉よりさきに投射されていたが、待ちかまえていたグレー?レンズマンは、すでに行動に移っていた。あごをぐっと突きだすと、思考波スクリーンが消えた。遮蔽さCallaway DIABLOれたシガレット?ケースがさっとあけられ、彼のたくましい手首には、擬似生命を持ったレンズがふたたび輝いた。光線銃はケースからとびだすよりはやく、破壊光線をほとばしらせた――狂暴に白熱した貪欲な舌は、バーゲンホルムの制御盤と、そのまえにむらがっている操作員を、またたくまになめつくした。船は有重力状態になった――ボスコニアの旗艦がふたたび無慣性航行できるまでには大仕事だろう! これらの仕事には、ほんの一瞬を要したのみだった。それ以上時間がかからなかったのは、実際よいことだった。総理大臣の精神攻撃はいやがうえにも狂暴になり、精神的自動遮蔽だけでは、それがいかに強力でも、対抗できなくなったからだ。しかし、レンズマンちゅうのレンズマン、グレー?レンズマン、キムボール?キニスンは、それ以上のものを――はるかにそれ以上のものを――持っていた! キャロウェイ ディアブロ 彼はさっとふり向くと、くいをちらりと見せて、不敵に微笑した。いまこそ、このボスコーン人が何者で、どんな能力を持っているかを見てやろう。結果に対するいかなる恐怖もいかなる疑惑も、彼の心に生じなかった。彼はこの宇宙ばかりでなく、あらゆる宇宙を通じて、もっとも強力な知性のひとりであるメンターが、投射できるかぎりの精神衝撃を受けとめることを学ぶ過程で、ほとんどどんな心も耐えたことのないような試練に耐えてきたのだ。この未知の怪物はもちろん有能な操作員だが、キニスンは?彼の?攻撃を払いのけるにたりるほど堅固な防御力を持っている! レンズマンはそう思いながら、自分も精神衝撃を投射した。十人の人間を殺すに充分なほど強力な衝撃である――しかし驚くべし、それは総理大臣の強靭《きょうじん》な遮蔽によって空《むな》しくはね返された。</ PR |
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